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STマイクロエレクトロニクス A*STARとVeredus Laboratories、市場初、複数の熱帯伝染病を検出するラボ・オン・チップを開発

シンガポール科学技術研究庁(以下A*STAR)と革新的な分子診断ツールの主要サプライヤであるVeredus Laboratories(以下Veredus)は、1つの血液サンプルから13種類の異なった主要熱帯伝染病を特定することができる分子診断市場初のバイオチップ VereTrop(TM)を発表しました。

高度に自動化されたこのラボ・オン・チップ診断キットは、現場におけるデング熱、マラリア、チクングンヤ熱、手足口病等の熱帯伝染病の検査品質・効率を変革するでしょう。

本プロジェクトの主任ウイルス学者で、A*STAR SIgN(Singapore ImmunologyNetwork)のLisa F. P. Ng准教授は、次の様にコメントしています。「熱帯伝染病は熱等の一般的な症状を示すことが多く、正確な早期診断ができない場合があります。この携帯型テスト・キットは、わずか1つの血液サンプルから複数の対象病原体を数時間で正確に試験できる、迅速かつ確実な手段です。」

SIgNのマラリア免疫生物学のエキスパートであるLaurent Renia教授を含むSIgNチームは、タイとミャンマーの国境に位置するタイ北部の屋外現場で患者サンプルを用いて、このキットの検証に成功しました。

メソト(Mae Sot)にあるOxford Clinical Unitの臨床共同研究者ならびにShoklo Malaria Research Unitの管理者を兼任しているFrancois H Nosten教授は、次の様にコメントしています。「この技術は、依然として熱帯地方の疾病の主要因となっている伝染病を正確かつ迅速に診断する新たな可能性を切り開きます。その汎用性と使いやすさにより、医療システム周辺における診断アプローチが変わるでしょう。」

A*STARのSingapore Immunology Network(SIgN)の伝染病に関する専門性を活用し、STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)のラボ・オン・チップ・プラットフォーム上で動作するこのバイオ・チップの開発は、2009年にA*STARの技術移転部門であるETPLとVeredusの間で始まりました(1)。これに先立ち、Veredusはインフルエンザとマラリアの領域においてA*STARから診断技術に関する認可を受けていました(2)。

STのグループ会社であるVeredusの最高経営責任者(CEO) Rosemary Tan博士は、次の様にコメントしています。「VeredusとA*STARは、2004年から様々な共同プロジェクトに取り組んできました。このVereTrop向けの最新プロジェクトにおいて、A*STAR、VeredusおよびSTは強みと専門性を結集し、強力な多重化分子診断製品を生み出しました。これにより、症状が類似している熱帯伝染病を迅速に検出・区別し、適切な治療を適時行うことが可能になります。」

ETPLの最高経営責任者(CEO)であるPhilip Limは、次の様にコメントしています。「3年以上にわたる努力の結果、世界の健康管理に役立つ、このような技術的に進んだ製品を市場に導入できたことを嬉しく思います。Veredusは、地元企業がA*STARと連携し、一貫した技術を通した自社製品の強化や、世界的に競争力のある製品開発を行っている好例です。」

(1) ETPLは、配列プローブの設計、チップの開発・検証、臨床用検体の入手に関するプロジェクトへ資金を提供しました。
(2)
http://www.a-star.edu.sg/Media/News/PressReleases/tabid/828/articleType/ArticleView/articleId/91/Default.aspx

添付資料 – VereTrop(TM)が検出可能な熱帯伝染病リスト

シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)について
シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)は、世界レベルの科学研究と人材育成を推進し、経済成長と活気に満ちた知識基盤型のイノベーション主導経済を目指すシンガポールの主要公的機関です。

ミッション志向型の方針に従い、A*STARはシンガポールの製造業の成長と新しい成長産業の振興に不可欠な分野の研究開発を先導しています。A*STARは、産業パートナーに対し、知的・人的・産業資本を提供することによって、これらの経済クラスタを支援しています。

A*STARは、「バイオポリス」および「フュージョンポリス」とその周辺に位置する20の生体医科学、物理化学および工学研究機関を所管しています。この2つの研究開発ハブには、A*STARの研究機関だけでなく、多くの企業の研究所に所属する国内外の研究科学者および技術者の活気溢れる多様なコミュニティがあります。
A*STARに関する詳細は、ウェブサイト( http://www.a-star.edu.sg )をご覧下さい。

ETPLについて
ETPL(Exploit Technologies Pte Ltd)は、世界レベルの科学研究と人材育成を推進するシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の技術移転部門です。A*STARは、14の生体医科学、物理化学および工学研究機関と6つのコンソーシアムおよびセンターを所管しています。ETPLは、必要なものが全て揃ったリソースとして、イノベーションの促進による経済改革と、研究結果の商業化において、A*STARを支援しています。

ETPLは、A*STARの科学者たちの発明を市場性のある製品またはプロセスに変えることにより、研究結果の価値を高めています。ETPLは、ライセンス契約やスピンオフの推進を通して、A*STARの技術の商業化や、ビジネス・産業・経済に役立つエコシステムの構築へ応用するため、業界関係各社・機関と積極的に交流しています。詳細はETPLのウェブサイト( http://etpl.sg )をご覧下さい。

Veredus Laboratoriesについて
Veredusは2003年に設立され、最初の製品を2005年に発表しました。多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTが過半数を所有する子会社で、シンガポールに本社を置いています。

Veredusは、臨床や特殊分野等の各種テスト市場向けに、ST独自のラボ・オン・チップ・プラットフォームをベースとする革新的な多重化分子診断ソリューションの開発・製造・販売を行っています。VerePLEXTMバイオ・システムとして販売されるラボ・オン・チップ・プラットフォームは、MEMS(Micro-Electro-Mechanical-Systems)とマイクロ流路を組み合わせて多重化DNA増幅機能とマイクロアレイ検出機能を集積し、生体物質の高精度な分析を迅速かつコスト効率良く行います。さらに詳しい情報は、Veredusのウェブサイト( www.vereduslabs.com)をご覧ください。

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、「センス & パワー、オートモーティブ製品」と「エンベデッド・プロセッシング ソリューション」の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。エネルギー管理・省電力からデータ・セキュリティ、医療・ヘルスケアからスマート・コンスーマ機器まで、そして、家庭、自動車、オフィスおよび仕事や遊びの中など、人々の暮らしのあらゆるシーンにおいてSTの技術が活躍しています。STは、よりスマートな生活に向けた技術革新を通し、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。2012年の売上は84.9億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st-japan.co.jp )をご覧ください。

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