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ブラックロック・ジャパン「年金運営に関する緊急調査における傾向分析」を発表~ 結果を出すための実行力を持った年金運営への期待 ~

2012 年11 月1 日(東京)‐ ブラックロック・ジャパン株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:出川 昌人)は、年金・金融法人のスペシャリストに向けた専門誌「オル・イン」と共同で実施した、AIJ 問題後の年金運営に関する緊急調査をもとに傾向分析を行いました。

<傾向分析概要>
① AIJ事件によって、1割程度の年金が投資顧問やオルタナティブの解約等の行動を起こしたが、9割の年金は現状を維持。
② AIJ 事件後の方針において、「ガバナンスの強化」、「専門性の向上」、「運用機関選定の厳格化」が課題として挙げられている。
③ ガバナンス強化に関する今後の方針としては、約6割が「総幹事依存を高める」と回答、3割が「コンサルタントへの依存強化」を求めていることを示しており、外部依存度を高める傾向が見られる。
④ 年金制度に関する今後の方針としては、5 割前後の年金が予定比率の引き下げを検討しており、3 割程度が掛金引き上げ、給付引き下げを検討している。
⑤ 運用の課題としては、6 割の年金が下振れリスク抑制を最優先と回答。ついで、資産配分変更、株式ポートフォリオの再検討となっており、従来型管理手法、リスクの高い株式への対応も引き続き検討されている。

調査を統括した、ブラックロック・ジャパン株式会社 コンサルタント・リレーションズ部長 川原淳次は、次のように述べています。

「今後は、年金運営の高度化が求められています。そのために、更なる低リスク化が進行すると考えられ、負債・資産の両側面からのアプローチが行われようとしています。そして、資産運用には、より負債を意識した運用や伝統的資産からオルタナティブへのニーズも継続されると考えられます。このような環境下では、運用の複雑化や負債とのマッチングも含め、統合的なリスク管理が必要になります。また、そのためのガバナンス構築も同時進行する必要があることから、限られた資源・時間の中で、資産全体を見渡すことができるパートナーが、今こそ求められていると思われます。」

主要なポイントに関する調査結果は以下のとおりです。詳細は別添資料をご参照ください。

傾向分析対象:
<「オル・イン」緊急調査>
【調査設計】
◆ 調査方法: Web またはFAX によるアンケート調査
◆ 調査地域: 全国
◆ 調査対象: 年金基金
◆ 有効回答数:119 人 (確定給付企業年金72、厚生年金基金47)
◆ 調査日時: 2012 年7 月~8 月

1. AIJ問題の影響
AIJ問題は、1割程度の年金が投資顧問やオルタナティブの解約等の行動を起こしましたが、9割の年金は現状維持と回答しました。ただし、懸念材料として、5 割弱が「運用規制への動向」を指摘し、次いで付加的な費用への懸念(「ガバナンス強化に伴う費用」)と持続可能性への不安(「解散や脱退の可能性」)が示されました。今後の方針において、「ガバナンスの強化」、「専門性の向上」、「運用機関選定の厳格化」が課題として挙げられています。

2. ガバナンス
現状の運用管理体制は、属性や資産規模に依存しており、内部体制、専門性の向上が第一の課題となっています。また、資産運用委員会の実態については、委員の専門性、実行力/抑止力に課題が挙がりました。総幹事、コンサルタントへの満足度については、一部に不満があり、特に今後は制度を含めた年金全体へのアドバイスやオルタナティブへの更なる助言への期待がありました。今後の方針として、約6割が「総幹事依存を高める」と回答、3割が「コンサルタントへの依存強化」を求めていることを示しています。外部依存度を高める傾向が見られ、その対象をどこに求めるかが課題となっていることが考えられます。

3. 年金財政
年金財政は厳しい状況であることがわかりました。懸念材料として、5割強の年金が「積立不足」を最大の懸念点として指摘、さらに4 割弱が、「成熟度」を挙げています。厚生年金基金は「新財政基準」への懸念が強くなっており、財政運営への問題意識がより高いものとなっています。年金制度に関する今後の方針としては、5 割前後が「予定利率の引下げ」を検討、3 割程度が「「掛金引上げ」、「給付引下げ」を検討しています。一方で、厚生年金基金では解散や脱退が検討されており、確定給付企業年金の1割強はDC化も考えているなど、財政運営は現状の年金が抱えるもっとも困難な議題と考えられます

4. 年金運用
管理手法については、現状、8割が政策資産配分をもとに従来型の管理を行い、3割バランス運用、1割強が負債対応運用を導入しています。従来型の管理手法が主流であることに代わりはないですが、負債対応の意識も出てきています。政策資産配分の平均値からは、予定利率に合せた運用は個性化し、一般勘定/オルタナティブは一般化していることがわかります。平均時価配分と平均政策資産配分の差分をみると、伝統的4資産をアンダーウェイトする反面、一般勘定、新興国、オルタナティブをオーバーウェイトしており、政策資産配分から乖離した実践ポートフォリオ構築が見られます。積立水準別時価配分からは、積立対応、ヘッジファンド依存への課題も見えてきます。今後の課題として、6 割の年金が下振れリスク抑制を最優先と回答。ついで、資産配分変更、株式ポートフォリオの再検討となっており、従来型管理手法、リスクの高い株式への対応も引き続き検討されている。今後の方針を資産クラス別に見ると、全体では国内債
券・一般勘定を増やし、内外株式を減らし、オルタナティブ投資を増やす傾向にあります。特に、オルタナティブの中では、国内不動産とヘッジファンドのニーズが高い傾向にあるようです。

ブラックロックについて

ブラックロックは、グローバルに資産運用、リスク・マネジメント、アドバイザリー・サービスを提供している世界有数の資産運用会社です。2012年9月30日現在、運用資産残高はグループ全体で総額3.673兆米ドル(約286兆円)にのぼります。ブラックロックでは、お客様のニーズに応じて、アクティブ、エンハンスド、インデックス等の戦略を駆使して市
場や資産クラスを跨いだ様々な運用サービス及び商品をご提供しています。そうした運用サービスや商品は、投資一任口座、ミューチュアル・ファンド、iShares®ETF(上場投資信託)等、多様なスキームで運営されます。また、ブラック
ロックは、ブラックロック・ソリューションズ(BlackRock Solutions®)を通じて、リスク・マネジメント、アドバイザリー・サービス、全社的資産運用プラットフォーム提供サービスを機関投資家にご提供しています。ブラックロックは、ニューヨークを本拠として北米、南米、欧州、アジア、オーストラリア、中東、アフリカ等、世界29カ国の拠点と従業員約10,400名で事業を展開しています。詳細は、ブラックロックのグローバルウェブサイトをご覧ください。www.blackrock.com
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ブラックロック・ジャパン株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第375 号
加入協会:一般社団法人 日本投資顧問業協会/ 社団法人 投資信託協会/ 日本証券業協会
ウェブサイト http://www.blackrock.co.jp
〒100-8217 東京都千代田区丸の内一丁目8 番3 号 丸の内トラストタワー本館
Tel. 03-6703-4100(代表)

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