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トレンド総研 トレンド予測レポート 「“空気を買う時代”がもうすぐ到来!?」 集塵・除菌から加湿、静電気除去、52%が「空気清浄機 所有」 高まる“空気の価値”、神原サリー氏に聞く「空気清浄機」

トレンド総研では、“空気を買う時代”の到来というテーマの下、「空気のキレイさに関する意識・実態調査」を実施。空気のキレイさや空気清浄機に対する、生活者の意識や実態について調べました。また、同調査で過半数の人が「購入経験あり」と回答した、空気清浄機について、家電コンシェルジュ・神原 サリー氏に取材を行いました。

2013年はじめ、騒動を呼んだ「PM2.5」の脅威。中国の大気汚染に端を発したこの問題に対して、自身の、家族の健康に不安を感じたという人も多いのではないでしょうか。また、アレルギー患者の増加が報じられる昨今、多くの人が、「ハウスダスト」などのワードに対して、非常に敏感になっているように見受けられます。これらの問題は、いずれも、空気中の有害物質が原因です。他にも、花粉症、黄砂問題、化学物質過敏症(シックハウス症候群)、タバコの副流煙など、同様の問題は尽きません。それどころか、近年、目や耳にする機会が増えているように感じます。
こうした中で、空気清浄機の出荷台数は増加傾向にあるそうです。一家に複数台を設置する人も少なくなく、多くの人がお金を出してでも、キレイな空気を手に入れたいと思うようになってきていると言えます。ミネラルウォーターや浄水器にお金を払い、キレイな水を手に入れているように、「お金を払ってでも、キレイな空気を手に入れる」、そんな時代を迎えているのかもしれません。
そこで、今回、トレンド総研(東京都渋谷区)では、“空気を買う時代”の到来というテーマの下、「空気のキレイさに関する意識・実態調査」を実施。空気のキレイさや空気清浄機に対する、生活者の意識や実態について調べました。また、同調査で過半数の人が「購入経験あり」と回答した、空気清浄機について、家電コンシェルジュ・神原 サリー氏に取材を行いました。

 

■ レポート内容

1.生活者500名に聞く、キレイな空気に関する意識・実態調査
・世はまさに“空気を買う時代”! 空気に関する問題意識の高さ、キレイな空気に感じる価値の高さが明らかに。
2.家電コンシェルジュ・神原 サリー氏に聞く、「空気清浄機」の歴史とこれから
・一家に1台から、場所・シーンごとの使い分けの時代へ。空気清浄機のタイプと使い方を紹介。

 

1. 生活者500名に聞く、キレイな空気に関する意識・実態調査

今回行った「空気のキレイさに関する意識・実態調査」では、20代~50代の男女500名を調査対象にしました。はじめに、空気中の有害物質に対する生活者の問題意識について探った上で、「空気清浄機の購入意向」や「空気が美味しいところの憧れ」など、生活者が感じる“キレイな空気の価値”について調べました。
◆ PM2.5、花粉症、インフルエンザ、… 「気になる空気の問題」、上位5項目がいずれも7割超!

近年、空気中の有害物質に関する話題は、非常に多岐に渡ります。
それでは、こうした問題の内、生活者が特に注目しているのは、どういった問題なのでしょうか。「最近、話題になっていると思う問題」を複数回答で聞くと、「中国の大気汚染」(61%)、「PM2.5」(60%)の2つ問題が僅差で並びました。 やはり、今年の1月~7月にメディアを騒がせることの多かった、この2つの問題に、生活者の注目は集まっているようです。
一方で、「空気中の有害物質に関する話題の内、その影響が気になる問題」についても同様に聞いたところ、最も多くの人が選んだのは、「PM2.5」(77%)でした。しかし、続く4つの問題(「中国の大気汚染」、「花粉症」、「インフルエンザなどのウイルス」、「タバコの副流煙」)を選んだ人も、いずれも7割以上。上位2項目は話題を集めた問題と同じ結果だったとはいえ、生活者の問題意識は、特定の問題ばかりに向けられている訳ではなく、空気中の有害物質全般に向けられていると言えるかもしれません。
これからは、徐々に空気が乾燥していく季節。影響が出やすい問題も変化していきます。それにともない、話題になりやすい問題も変わっていくでしょう。「インフルエンザなどのウイルス」といった話題が、これから生活者の注目を集めていくと予想されます。

 

◆ 所有率52%の空気清浄機、3人に1人が求めるのは「加湿機能」

こうした空気中の有害物質による問題への対策として活用されるのが、「空気清浄機」です。近年、その市場規模を急速に拡大していると言います。そこで、次に、この空気清浄機に関する生活者の意識・実態を探ります。
まず、家庭における空気清浄機の有無を聞くと、その所有率は52%。過半数を占めます。さらに、空気清浄機を持っていない家庭でも、22%は「購入の意向がある」と回答。今後のさらなる所有率の上昇も予想されます。
そこで、空気清浄機の「購入のきっかけ」についても、自由回答形式で調べました。この質問に対して多かったのは、「花粉症がひどいため。(東京都・女性26歳)」といった回答。空気清浄機については、PM2.5、ハウスダスト、新型ウイルス、インフルエンザなど、具体的な悩みの解決策として購入する人が多いようです。その他には、「子供が生まれたから。(愛知県・女性35歳)」、「子供の喘息がきっかけ。(東京都・男性47歳)」というような回答も多くあげられ、子供のための購入も多いことが明らかになりました。
次に、人々が空気清浄機に求める機能について調べました。「空気清浄機において、重要だと思う機能は何ですか?」とたずねました。その結果、「集塵、除菌」(82%)、「脱臭」(66%)という空気清浄機の中心的な2つの機能に加え、3人に1人以上となる36%の人は、空気清浄機に「加湿」の機能を求めていることが明らかになりました。
ちなみに、空気清浄機の「集塵、除菌」機能により取り除きたいものとしては、「ホコリ」(85%)、「カビ」(85%)、「ウイルス」(81%)、が上位3項目。 同様に、「脱臭」機能により取り除きたいものとして多かったのは、「生ゴミ臭」(56%)、「料理臭」(54%)、「タバコ臭」(46%)という結果になりました。

 

◆ 7割が「お金を払っても良い」、高まる“キレイな空気”の価値

このように、空気中の有害物質への対策として期待される、空気清浄機。その所有率や購入意向率の高さも明らかになり、「“キレイな空気”のためであれば、ある程度お金を払っても良い」という消費者の意識が垣間見られました。そこで、最後に、生活者たちが、“キレイな空気”に対して、どういった価値を感じているのかを探りました。
まず、「今までに空気がキレイだと感じた場所はありますか?」と聞いたところ、「ある」と答えた人は、およそ7割にのぼります。さらに、この「ある」と答えた人に、その「空気がキレイだと感じた場所はどんなところですか?」と自由回答でたずねると、多くの人が自然に囲まれた土地を答えました。具体的な地名をあげて答える人も多く、「屋久島。(山口県・男性44歳)」、「立山。(兵庫県・男性52歳)」、「北海道の美瑛。(東京都・女性35歳)」というように、いずれも豊かな自然を誇る土地ばかり。やはり、こうした土地に比べて、都会の空気は汚れているということは、明白な事実のようです。
また、特徴的だったのは、「森の中や、清流の脇のマイナスイオンを感じる環境。(秋田県・男性46歳)」、「山と滝と川など、イオン効果がたくさんありそうな場所。(東京都・女性51歳)」といったように、生活者たちは、“イオン”、“マイナスイオン”といったワードに空気のキレイさを感じるようです。
そして、こうした結果を受け、最後に、「お金を払ってでも、空気のキレイな場所に行きたいと思いますか?」とたずねると、「はい」と回答した人は74%と7割にのぼります。「“空気を買う時代”の到来」というテーマで行った本調査ですが、キレイな空気に対して、お金を払うことへの抵抗は小さいと言えそうです。

 
2. 家電コンシェルジュ・神原 サリー氏に聞く、「空気清浄機」の歴史とこれから

今回の調査からは、空気中の有害物質が引き起こす問題に対する人々の問題意識の高さが明らかになりました。また、“キレイな空気”に感じる価値は大きく、その対策としての空気清浄機は、広く生活者に受け入れられ始めています。
そこで、この空気清浄機について詳しく知るため、家電コンシェルジュである、神原 サリー氏に取材を依頼しました。

 

◆ 各部屋1台の時代!? 多様化する空気清浄機のこれからの利用方法

Q. 空気清浄機の広がりについて、お教え下さい。

空気清浄機の歴史を振り返ってみると、そこには、3つのステージがあったと思います。
最初のステージは、タバコの臭いをなくしたいという思いから始まりました。一昔前はタバコを吸う人も多く、今のように分煙もされていない時代です。その脱臭こそが、空気清浄機の原点になります。2つ目のステージは、花粉症対策。ここで、空気清浄機は単純な脱臭のためだけの道具から抜け出し、花粉を除去するフィルターを備えます。空気中の有害物質を取り除くという、現代の空気清浄機と同様の役割を持ち始めたのです。そして、3つ目のステージは、「鳥インフルエンザ」や「サーズ(SARS)」といった話題とともに迎えます。これらのウイルスを除去するには、より高度な技術を要します。さらなる発展を遂げたステージだと言えるでしょう。
これらのステージを経て進化した空気清浄機は、その時々のニーズの高まりに合わせて、徐々にシェアを拡大してきました。「インフルエンザ」、「黄砂問題」、「PM2.5」といった話題が広まると、人々は「空気はキレイな方が良いかな」と感じます。その結果、空気清浄機が購入されるのです。
そして、1度利用し始めると、色々と気になり始めるという人も少なくありません。リビングだけに空気清浄機を置いていたところが、子供部屋も、寝室も、それぞれに置かないと心配になってくるというのも人情でしょう。最近は、“一家に1台”から“各部屋に適切なタイプ”という流れが見受けられます。実際に家電製品の売り場に行くと分かりますが、以前はリビング用の大きなサイズのものばかり見掛けましたが、最近は、大きいものから小さいもの、イオン式、加湿機能の有無など、その種類は多岐に渡ります。
また、利用を止めた途端に、効果が見え始めるのも、空気清浄機の面白いところです。これは私の体験でもあるのですが、節電のために、空気清浄機を止めていた時期がありました。すると、棚や壁にすぐに埃が溜まり始めたのです。それまでは、その埃を空気清浄機が吸い続けてくれたことに、初めて気付きました。空気清浄機は、その効果が見えづらいものなのですが、こんな形で、その効果を実感するとは、驚きでした。

 

◆ 乾燥対策から静電気除去まで、色々な用途に応じた空気清浄機の使い分け

Q.空気清浄機のタイプについて、お教え下さい。なお、今回の調査では、“イオン”という言葉に、空気のキレイさを感じる人が多いことが明らかになりました。こうした背景を受け、“プラズマクラスター”など、イオン式については詳しく教えて下さい。

空気清浄機には、「ファン式」と「電気集塵式」があります。しかし、多くは「ファン式」というタイプで、ファンを回して空気を取り込み、フィルターを通じて、空気中の有害物質を除去するものです。ファンの空気を循環させるパワーとフィルターのタイプにより、空気清浄機の機能が決定します。

また、日本では、ウイルスや花粉症など、空気清浄機のニーズが高まる冬に、空気が乾燥します。こうした気候の関係上、加湿機能付きの空気清浄機が多いのも特徴ですが、最近ではウイルスが生存しやすい乾燥・低温の環境になると、自動で加湿を強化する機能が搭載されているものもあります。
最後に、イオン式についてですが、このタイプは、空気清浄機を通じてキレイになった空気を放出する際に、一緒にイオンを放出します。放出されたイオンは、空気中のウイルスやカビを包み込み、その働きを抑えるそうです。その結果、イオンによる除菌、脱臭などの効果が得られると言います。
最近、よく聞くのは、オフィスのデスクなど、パーソナルスペースで小型のイオン発生機を使うといった話。これは、前述の“適切なタイプ”による、空気清浄機の使い分けに当てはまるのかもしれません。その他に、こうした空気清浄機のタイプによる使い分けという意味では、私の知り合いの美容院で、プラズマクラスターの空気清浄機を使っているという話が、それに当てはまると思います。実は、イオン式の中には、静電気除去効果のあるものがあります。そのため、美容院のような、静電気が発生すると都合の悪いところは、こうしたプラズマクラスターなどの空気清浄機が活躍する場所だと言えるでしょう。

 

神原 サリー(かみはら さりー・Sally)

-家電コンシェルジュ-
公式ブログ「Sallyの家電研究室」 http://kaden.k-sally.jp/
Twitter https://twitter.com/KamiharaSally(@KamiharaSally)

 

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